『建築家のたまごたちと建築展(仮)』早稲田大学「建築展」アーカイブ出版プロジェクト | MOTION GALLERY
早稲田大学建築展の歴史と意義
早稲田大学建築学科の学生団体「建築展」は、1957年に設立されて以来、学生による建築表現の場として長い歴史を持っています。学部3年生を中心に展示会や講演会、文化祭でのパビリオン制作など多彩な活動を展開し、時代ごとの技術や社会の変化を反映してきました。本プロジェクトは、そんな「建築展」の活動を手がかりに、過去の建築学生たちの思考や表現の軌跡を記録し、アーカイブとして出版することを目指しています。
建築家のたまごたちのリアルな記録
本プロジェクトが特に注目するのは、社会で活躍する建築家ではなく、建築を学び始めて間もない“建築家のたまご”たちの活動です。早稲田建築学科の2・3年生は、まだ専門分野が定まっていない未分化の段階にあり、彼らが自ら問いを立て、夢中になって表現を模索する姿は非常に貴重です。現役学生が中心となって、過去の卒業生にインタビューを行い、当時の葛藤や情熱を丁寧に掘り起こすことで、学生ならではの視点から建築教育の変遷や社会との関わりを浮き彫りにしています。
書籍出版と今後の展望
完成予定の書籍は2026年3月に発売され、一般販売のほか、早稲田大学建築学科の新入生にも無料配布される予定です。掲載されるインタビューや対談には、建築展のOB・OGが多数参加し、学生時代の活動や思考を語っています。デザインは建築とグラフィックデザインを横断する倉品美沙さんが担当し、学生が制作したプロモーション素材も魅力の一つです。変化の激しい時代にあって、未来の建築を考えるための貴重な資料となる本書の完成が期待されます。詳しくはプロジェクトページをご覧ください。