1人の舞台俳優と5人の演出家による4都市50公演の挑戦
地方から挑む新たな舞台芸術の形
京都で長年演出家・俳優として活躍してきた桑折現さんは、2022年に富山県氷見市へ移住しました。地方に暮らしながら舞台活動を続ける中で、都市圏との距離や文化芸術への支援不足など、多くの課題を感じています。そこで桑折さんは、俳優1人のみが出演し、舞台設備も最小限に抑えた少数精鋭のカンパニーで全国ツアーを行うという新たな挑戦を始めました。これは単なる公演ではなく、俳優が「待つ」存在から「創る」存在へと変わる試みでもあります。
5人の演出家と共に創る新作ツアー
このプロジェクトでは、桑折さんが5人の演出家と1年かけて5つの新作を制作し、京都・松本・富山・東京の4都市で合計50回の上演を行います。作品はすべて新作で、俳優1人のみの出演、舞台照明や音響は基本的に使用せず、上演時間は50分から60分程度に設定されています。各地の特色ある劇場やギャラリーを舞台に、地方から都市へと舞台芸術の新たな可能性を発信していきます。
俳優の新しい働き方を示す意義
地方での文化格差や支援の乏しさを背景に、桑折さんは俳優が自らプロデュースし、継続的に創作活動を行う新しいモデルを提示したいと考えています。40代という年齢や体力、気力の面からも「今しかできない挑戦」であり、5人の演出家との奇跡的なスケジュール調整が実現の鍵となりました。このプロジェクトは単なる舞台公演の枠を超え、俳優という職業の新たな可能性を示す試みです。詳しくはプロジェクトページをご覧ください。
