雪国・高田。建築家・原広司が家族に贈った名建築「旧北川邸」を未来へ
原広司さんが義父母のために設計した名建築
新潟県上越市高田の豪雪地帯に佇む「旧北川邸(浮遊のいえ)」は、世界的建築家・原広司さんが1986年に義父母のために設計した住宅です。京都駅ビルや梅田スカイビルなどの巨大建築を手掛けてきた原さんが、最も親しい家族のために注いだ愛情と創意が詰まっています。厳しい冬の寒さから守る機能性と、雪国の暮らしを明るく豊かにする空間設計が特徴で、義母の特等席だったサンルームには柔らかな光が満ちています。原さんの設計思想が息づくこの家は、単なる建物ではなく、家族の記憶と地域の文化が息づく生きた遺産です。
築40年の建築遺産を守るための挑戦
築40年を迎えた「浮遊のいえ」は現在、屋根の雨漏りや内装の劣化といった深刻な課題に直面しています。特に豪雪地帯の厳しい環境にさらされてきた大屋根は修繕が急務であり、原広司さんの意図を反映した内装のクロスも傷みが進んでいます。公的な助成金が適用される築50年の文化財指定までの間、修繕費用を個人で賄うことは非常に困難な状況です。現在のオーナーであり建築を学んだ久野遼さんは、宿泊施設として再生しながらも、専門的な修繕には多額の費用が必要であることを痛感し、未来へ継承するための支援を呼びかけています。
未来へつなぐ建築文化の価値と役割
「浮遊のいえ」は、建築ファンや地域の人々に愛され、世界中から訪れる方もいる特別な場所です。今後は単なる宿泊施設にとどまらず、建築を志す学生の学び舎や地域の文化交流の場としての役割も期待されています。久野さんは原広司さんが義父母に込めた想いを受け継ぎ、この建築を100年先まで守り抜く覚悟を持って取り組まれています。制度の狭間にあるこの名建築を、皆さまの想いとともに未来へつなぐための取り組みです。詳しくは、プロジェクトページをご確認ください。