仕事の肩書きを下ろしたあとも、毎日わくわくできる居場所を。「コミュニティー・シェッド」を全国へ広げたい!
定年後の新しい居場所「シェッド」とは
長年勤めた会社を退職した後、自由な時間が増える一方で、何をすればよいのか分からず戸惑う方も多いのではないでしょうか。そんな時に「シェッド」と呼ばれる居場所が注目されています。シェッドは、主に退職後の男性が集い、ものづくりや雑談を楽しみながらゆるやかにつながるコミュニティスペースです。肩書きを下ろした後も自分らしく過ごせる場所として、オーストラリアをはじめ世界各国で広がりを見せています。日本でも熊本県水上村や札幌市西区で実際に運営が始まり、地域に根ざした活動が展開されています。
研究者の視点から見た「本当にやりたいこと」
この活動を推進する伊藤文人さんは、社会脳科学の研究者でありながら、作業療法士の経験も持ちます。彼が抱いた違和感は、退職後の男性が「折り紙」などのプログラムに参加する姿を見て、本当にそれが本人の望む姿なのかという問いでした。誰かに用意された活動をこなすのではなく、自分の意思で選び、主体的に何かを作り出すことが大切だと感じています。シェッドは、そんな主体性を尊重し、人生の後半も誇りや生きがいを持って過ごせる居場所づくりを目指しています。
地域に根ざし広がる「秘密基地」の未来
熊本県水上村の「寄郎屋(よろうや)」・「暖男舎(だんだんや)」、北海道札幌市の「ポッケコタン」では、農作業やDIY、木工品づくりや鍋を囲む会など、多彩な活動が行われています。参加者同士が肩を並べて作業するなかで新しいつながりができ、これまで話せなかった悩みが共有されるなど、心の支えにもなっています。愛知県の「新城メンズ・シェッド」や広島県の「ものづくり工房 作ら(さくら)」など新しい仲間も増えてきて、シェッドが日本各地に広まりつつあります。今後は新たなシェッドの立ち上げを支援するための手引書やオンライン相談体制の整備も進められています。定年後も仲間と共にわくわくできる居場所を増やし、誰もが自分らしい選択肢を持てる社会を目指す取り組みです。詳しくは、プロジェクトページをご確認ください。