INTERVIEW
インタビュー
実際に重症な子どもをドクタージェットで搬送し、国策にすることを目指したい。
今回お話を伺うのは、特定非営利活動法人 日本重症患者ジェット機搬送ネットワーク 理事長の「福嶌 教偉」さん。福嶌さんは、当名鑑主催のクラウドファンディング応援イベント「シェアして応援」にも参加され、のべ2,000名を超える方にシェアいただいています。今回は、そんな福嶌さんのお話をお聞きしたいと思います。
はじめに、福嶌さんが取り組まれている
プロジェクトについてお聞かせください。
はじめまして、福嶌教偉と申します。私たちが取り組んでいるプロジェクトは、高度な医療体制が整っていない地域で命の危険に晒される子どもたちを救うため、地域を超えてPICUをはじめとする、高度医療機関への重症な子どもを速やかに搬送して救命することを目指しています。
高度な医療機関のない地域でも一定距離から、治療を実施できる病院に搬送するシステムの一つとして、ドクターヘリがあります。日本でもドクターヘリ制度が充実し、すべての都道府県にドクターヘリが配備されるようになりましたが、ドクターヘリによる患者搬送は、いくつかの課題が指摘されています。
具体的には、①県境を跨いで他県のPICUまで搬送できない、②200㎞を越えるような長距離輸送ができない、③振動や騒音があり、スペースも狭いので機内で集中治療ができない、➃悪天候や夜間に搬送できない、⑤ECMOや人工心臓などの高重量の医療機器の装着された患者を搬送できないなどの問題があります。
このようにドクタージェットでないと搬送できない重症な子どもがいるにもかかわらず、我が国は搬送システムがなく、その予算もありません。
本プロジェクトでは、寄付を主な原資として、運用実績を作った上で、全国でのドクタージェット運用の必要性を行政及び法曹界に継続して訴えかけ、まずは小児のドクタージェット運用を国の事業として認可してもらうことを目指したいと考えています。
「シェアして応援」参加前の
プロジェクト進捗はいかがでしたか?
プロジェクト公開直後は 順調に支援が伸びていたのですが、ちょうど1週間を過ぎたあたりから支援が伸び悩んできていました。当法人は認定NPO法人ではないため所得税の寄付金控除が受けられないこと、公取委から医療関係の企業に医療業務へのCFへの支援をしないなどの指示があり、当初予定していた医療関係の企業から支援がなかったことが理由の1つでした。
X(Twitter)のSNSアカウントがあったので そこでも呼びかけを開始したばかりで、フォロワー数が少なかったこともあって 『クラウドファンディング名鑑』さんから「シェアして応援」の情報があり参加させていただきました。
「シェアして応援」参加後は
どのような反響がありましたか?
投稿から一晩で1,000名を超える方にシェアしていただき、最終的には2万人を超える方にプロジェクトを知っていただくことができました。
また、投稿に対してたくさんの方から応援のコメントをいただくことができました。応援コメントは全てチームで共有することで、私たちの取り組みの意義をチーム全員で再確認する、とても良い機会となりました。
実際に寄せられたコメントの例
ドクターヘリでもいいのでは?と思ったのですが、なるほど気象条件などを考えるとジェットのほうがより確実なのですね。
いざという時の医療の心配…地方に暮らすことのハンデを減らすことにもつながると思いました。— かめちゃにーた🐢 (@kamechanita) November 23, 2023
少しでも助けられる命があるなら
ドクタージェットは必ず必要になってくると思う— y∞y (@IC0e9VlVf4TXgz6) November 20, 2023
どの地域の子供たちにも、ちゃんと平等に医療を受けさせてあげたい。私たちの気持ちで1人でも多くの子供を救ってあげたい。
— みにまむ🍦♡ (@kn10_s0) December 13, 2023
PICUのドラマをやっていたのを思い出しました。どの地域の子供でも平等に救急医療が受けられるようなればいいと思いました
— はろ (@hellogohanchan) November 20, 2023
『クラウドファンディング名鑑』さんや、みなさんに投稿をシェアしていただき支援金は増加したのですが、一方で 目標金額が1億円と大きかったので 残念ながら目標に到達することはできませんでした。
福嶌さんの取り組みについて、
今後の展望をお聞かせください。
今回、みなさまの応援に支えられ、15,371,000円のご支援を833人の方からいただくことができました。
目標の1億円の15%ですが、2024年4月1日から本事業は開始する予定です。
本事業を実施して、実際に重症な子どもをドクタージェットで搬送することで、一般の方々に本事業の意義を理解いただき、最終的に国策にすることを目指したいと思っています。
できれば、本法人を認定NPO法人に変更し、再度クラウドファンディングを行い、国策として認可されるまで本事業は継続する予定です。
『クラウドファンディング名鑑』では、みなさんの挑戦をご紹介しています。
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